ATM Forumについて:

  


1996年始めに「予算も付いた事だし、取り敢えず西海岸での会議に出てみるか」という、ごく安易な考えで参加したのがATM Forumです。ところがいざ会議に参加してみるといきなりDebateが始まり、これを文字通り朝から晩までやっています。しかしコーヒーブレイクになって廊下に出てみると、先ほどのDebateの時には噛み付かんばかりにしていた相手同士がニコニコと話し込んでいるではありませんか。これはまず自分の意見を明らかにした上で相手とネゴシエーションを行うと言う事のようです。黙っていれば何も出来ないが、賛成であれ反対であれその場(会議)で意見を言えばその後のネゴシエーションにも参加を許されるという、非日本的なルールの存在を感じました。
それから数ヶ月たってDebateにも慣れた頃、日本の仲間のプレゼンテーションに対し執拗な反論を繰り返す英国人が居たので、私がついに演壇に出て行き、その反論に対する反論をサンプルや測定データを示しながら強烈に行った所、その相手は沈黙してしまいました。その時、誰かの拍手に続いて全員が拍手をするというハプニングが起ったのです。会議の後で友人達に「Ted,こういった国際会議で拍手が出るのは異例だ。ましてや日本人が英語でDebateして勝つとは ATM Forumの歴史に残る出来事だ」とまでいわれ、大いに気を良くしたものです。(Tedとは井上のニックネームです)